【かにみそは肝臓?】海の美味しさの正体に迫る

生ずわい脚肉+甲羅みそ

こんにちは、フードライターの松田美咲です。
今回は、冬の風物詩であり、誰もが一度は口にしたことがあるであろう「かにみそ」について取り上げたいと思います。

「かにみそは肝臓なの?」という質問を受けることがあります。
一言で答えると、それは「肝すい臓」とも呼ばれています。
一見、難しい概念に思えるかもしれませんが、実はその背後には驚きの深海の秘密が隠されています。

まず初めに、「かにみそ」とは、かにの内臓の一部で特に中腸線のことを指します。
この部位は、かにの肝臓とすい臓の両方の機能を持つ、とても重要なオーガンなのです。
つまり、かにみそはかにの肝臓とすい臓を兼ね備えた部分ということになります。

食事の際に目にするかにみそは、主にかにの胴体内部中央に存在し、その濃厚で独特な風味がクセになる人も多いのではないでしょうか。
また、缶詰やびん詰めとして市販されているかにみそも、この部分を加熱調味したもので、コク深いおいしさが特徴です。

あの特異な風味と食感を生み出すのは、肝臓とすい臓の働きによります。
肝臓は体の解毒作用を担当し、栄養を貯蔵する一方で、すい臓は消化酵素を分泌し食物の消化を助ける役割を果たします。
これらの機能が合わさって、かにみその深い味わいとなるわけです。

また、かにみそはミネラルやビタミンが豊富で、特にビタミンAとEの含有量が高く、抗酸化作用が期待できます。さらには良質なタンパク質も含まれているため、栄養面でも優れた食材といえます。

「かにみそは肝臓なの?」という疑問から始まった今回の記事ですが、見方を変えれば「かにみその素晴らしさ」を改めて認識するきっかけにもなるのではないでしょうか。

食べ物の一つ一つには、その形成に至るまでの生物学的な背景があり、その知識が食の楽しさを一層深めてくれると私は信じています。
これからも食の知識を深め、食の楽しさを共有していきたいと思います。

皆さんの食卓が、知識とともにさらに豊かになることを願っています。

次回もお楽しみに。

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